2020年09月14日 大分県で出会った虫達
昨日の午後から九州へ行ってきた。先月は熊本・大分方面、今回は大分県のみだ。
先月も立ち寄ったPA、まずは背中が緑色のハエを見つけた。その名も「ミドリバエ」というそのまんまな名前のハエだ。この初見のハエを皮切りに、怒濤の初見ラッシュが始まる。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
周囲を山や雑木林に囲まれたこのPA、午後3時前なのに蛾が多い。
左)ヤマトエダシャク 右)プライヤエグリシャチホコ
左)マダラカギバ 右)ツマアカシャチホコ
左)キマエホソバ 右)キベリハネボソノメイガ
左)ヒメキホソバ 右)キマエアオシャク
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
ヤマトエダシャクからキマエホソバまでの5種が初見。キベリハネボソノメイガ・ヒメキホソバ・キマエアオシャクの3種は久しぶりの掲載だ。
蛾を撮りながら、男性トイレの入り口を入ったところで、頭上に独特な形をした虫を見つけた。カマキリモドキだ! しかもデカい! でもその位置は地上3m弱。とりあえず撮影したが手持ちのシステムでは大きく写すことができない。後から考えれば、車の中には望遠レンズがあったのだが、興奮して思い至らなかった。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
なんとかならないかと、トイレの周りをウロウロし、土手に生えているセイタカアワダチソウが目に映ったので、それを引っこ抜いてトイレに持ち込み、落とすことにした。いつの間にか何人かの人が私のことを見ている。「決して怪しい者ではありません、虫が好きな変わり者なだけです」なんて言い訳しながらカマキリモドキをたぐり寄せ、あと少しで手元へってとこで、飛んで逃げられてしまった。あぁ〜・・・残念無念。
調べてみたところ、これはオオカマキリモドキ。福岡県・長崎県・高知県では絶滅危惧種に指定されている、なかなか珍しい虫だ。
カマキリモドキといえば、19年前に近くの公園でツマグロカマキリモドキを撮影している。こちらは山口県でも準絶滅危惧種であり、山地が局地的で秋吉台で確認されているだけとある。私が見つけたのは山陽小野田市の公園、しかも産卵中の写真ということで、かなり貴重なものだと思われる。
オオカマキリモドキに逃げられた失意の中、足元に転がっていたコガネムシを見つけた。全身に蜘蛛の糸が絡みついている。しかも動いている。これはエンマコガネか何かの1種だと思う。胸部あたりに角というか突起が確認できるが、この状態では種名は分からない。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
2日目の今日、川辺を歩くとハグロトンボが多数飛びまわっていた。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
別の川岸には、やけに腹部が細いトンボがいた。これはハラボソトンボだ。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
本州にはいない南方系のトンボで、12年前に別府の坊主地獄で初めて見て以来だ。
これはお店で売っていたクロセセリの標本だ。 ってのは嘘で、たまたまお店の値札の上にとまっていたものだ。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
店内撮影禁止の店だったけど、あまりにイイ場所にいたので、お店の人に事情を話して特別に撮影を許可してもらった。有り難いことに、その間クロセセリも移動せず、おかげで面白い写真を撮ることができた。
下の画像はアオハナムグリだ。さて、彼はいったいどんな場所にいるかお分かりだろうか。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
背景の赤と黄色の物体。これはお店の前にあったハイジの人形だ。『アルプスの少女ハイジ』のね。アオハナムグリがいたのはハイジが持っている鉢の縁が正解。
移動先の施設の待合所には、金ピカのオオセンチコガネがいた。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
これまで何度か掲載してきたオオセンチコガネの中でも、抜群の光沢感だ。金色〜黄緑色〜紫〜ピンクと、とても複雑な輝きを放っている。
最初見つけた時は下の画像のように仰向けになっていた。腹面も金ピカで美しい。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
こちらはアザミの葉にいたカメムシ。見たことないよな、と思いながら撮影し、帰宅してから調べてみると、セグロヒメツノカメムシという、やはり初見のカメムシだった。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
さらに、帰り道に立ち寄った渓流沿いのササの葉裏に、久しぶりに見るゴイシシジミが、2匹ならんでいた。18年ぶりの撮影だ。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
18年前に書いているが、ゴイシシジミの幼虫はササやタケに寄生するアブラムシを食べる。成虫はというと、ご覧のようにストロー状の口を伸ばして、アブラムシ(もしくはカイガラムシ)が出す分泌液を舐める。
今回は9種の初見の虫を掲載できた。所変われば!だし、時季的にも夏の虫と秋の虫とが混在する、イイ時季なのかもしれない。最初に紹介しているPA、午後でも今回のような状況だったので、来年は早朝もしくは夜に訪れてみたい。なんだか凄いことになっていそうだ。