2019年06月18日 世羅町で出会った虫達
この6日間、急な仕事が忙しかったり、捻挫した左足が痛かったりで、虫撮りをする余裕がなかった。
さて、昨日から2日間、広島県世羅町へ出張してきた。世羅町といえばヒョウモンモドキという、ほぼ全国的に絶滅してしまったチョウの生息地として知られている。
ということで、初日の日中に生息地である世羅夢公園に行ってきた。
夢公園はかなり大きな公園で、ヒョウモンモドキはこの奥の湿地にいるらしい。目的地まで遊歩道を歩いた。
栗の若い枝に卵らしきものが産み付けられている。これは見たことがある。13年前に掲載したオビカレハの卵だ。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
足元の遊歩道には成虫の姿もあった。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
栗の葉蔭で何かがモゾモゾと動いている。キンイロジョウカイが甲虫を捕食していた。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
よく見ると栗のあちこちでヒメアシナガコガネが交尾している。キンイロジョウカイが食べていたのも、おそらくヒメアシナガコガネだろう。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
道端の葉上にクシヒゲベニボタルがいたのだが、カメラを近づけたのに驚いて葉から落ち、蜘蛛の巣にからまってしまった。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
前回(10年前)は翅を開いて飛び立つ姿、今回は腹側からの姿で、それぞれに面白いが、腹側からの画像はそうそう撮れるものではない。そして、あまり綺麗なものでもない。
松の葉にとまっていたのはキシタエダシャク。よく見る蛾のような気がしていたが、8年ぶり3回目の掲載だった。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
葉っぱの上にいた小さな蛾はクロモンベニマルハキバガ。散策記初登場だ。小さいけどとても複雑で綺麗な模様の翅をしている。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
林の間の遊歩道を抜けると溜め池があり、周りの草むらにキイトトンボがいた。未熟な個体なんだろう、胸部が緑がかっていないし、腹の先の黒い紋も薄い。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
キイトトンボのすぐ近くにアオイトトンボがいた。それぞれ黄・青がつく名前だが、アカイトトンボというのはいない。近いのはベニイトトンボということになるのかな。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
溜め池の下にある湿地は、ハッチョウトンボだらけだった。これまで何カ所かでハッチョウトンボを見てきたが、これほど多く、また写真が撮りやすい環境だったのは初めてだ。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
この湿原周辺こそが、目当てのヒョウモンモドキの生息地らしい。ハッチョウトンボを撮っている時、ヒョウモンチョウのそれと分かる橙色と黒の模様をしたチョウがヒラヒラと舞っていた。
「なんだ、いっぱいいるじゃないか」と、トンボを撮るのをやめてヒョウモンチョウを狙うが、これがなかなかジッとしてなくて、シャッターチャンスを待って炎天下に立ち尽くす私。おかげで顔と腕が真っ赤に日焼けしてしまった。
その甲斐あってウツボグサか何かの花にとまった所をパチリ!
しかぁし! これはヒョウモンモドキではなくウラギンヒョウモンだったというオチがつく。ヒョウモンモドキを見たことの無い私は、てっきりこれがそうだと思っていた。ウラギンヒョウモンにしても12年前に岩手県で1度見ただけだけどね。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
湿地の下の方にはベニールハウスのようなものがいくつかあり、覗いてみると中にヒョウモンチョウがいっぱい! これはヒョウモンモドキの飼育場らしく、網越しに撮ることが出来た。生態写真を基本とする私にとっては不本意ではあるが、散策記初登場となるヒョウモンモドキだ。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
更に道を下ってゆくと別の溜め池があり、ギンヤンマが交尾・産卵をしていた。
Panasonic LUMIX G7 + G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6
こちらはショウジョウトンボの夫婦だ。オスとメスで随分と色が違う。
Panasonic LUMIX G7 + G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6
水草の上ではオオイトトンボの夫婦がいた。
Panasonic LUMIX G7 + G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6
溜め池周辺の葉にいたのはウリハムシモドキ。濡れたような光沢が美しいハムシだ。
Panasonic LUMIX G7 + G VARIO 100-300mm/F4.0-5.6
時間に余裕があったので「夢の花大地 世羅ゆり園」に行ってみた。。
OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough
ユリの花は6分咲き程度ということでイマイチだったが、入場料が若干安かったのはよかった。
私はユリの花よりも、満開状態の栗の花の方が気になる。葉っぱにゴマダラオトシブミがいた。橙色に黒い水玉模様の可愛らしい虫だ。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
栗の木にはあっちにもこっちにもこんな毛虫がいた。これはクスサンの幼虫で、シラガタロウという異名がある。シラガタロウというのは何のことだが分かりにくいが、漢字で表すと「白髪太朗」全身に長い白髪のような毛が生えているのでそう呼ばれるそうだ。
Panasonic LUMIX GX7 Ⅲ + LEICA DG MACRO-ELMARIT 45mm/F2.8
宿泊した仕事先は古い造りの建物で、土壁にシラフクチバ、磨りガラスの窓にテングイラガがいた。テングイラガの幼虫は10年前に載せているが、成虫は初めてだ。
OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough + FD-1
最後の1枚は、世羅に向かう道中のSAで見つけたマイマイガ。顔のアップを撮ってみた。大きな櫛羽状の触角が耳のようで、なんだかウサギが何かのように見える。
OLYMPUS STYLUS TG-4 Tough + FD-1
2日目の今日は、朝から夕方まで仕事で疲れ果て、虫撮りをする余裕がなかった。とにかく有意義な世羅での虫撮りだった。