2021年08月04日 セミ
夕方の愛犬散歩時、裏山の桜の木にいたアブラゼミとクマゼミ。
Panasonic LUMIX G99 + OLYMPUS M.ZUIKO DIGITAL ED 60mm F2.8 Macro
中国・荘子の言葉に「朝菌不知晦朔、蟪蛄不知春秋」とある。
(チョウキンはカイサクをシらず、ケイコはシュンジュウをシらず)
「朝菌」とは朝生えて夕方には枯れる短命なキノコのことで、それゆえに晦日(みそか)も朔日(ついたち)も知らない。「蟪蛄」とはセミのことで、夏に地表に現れ、夏の終わりに死んでゆくセミは、春や秋のことを知らない。つまり自分の知らない広大な世界のことは理解できないことを例えた言葉だ。
科学が進歩し、様々な情報が得やすくなった現代、ややもすれば私達は「大抵のことは知っている」と思い上がりがちではなかろうか。「自分は分かっている」という自惚れから、他者への配慮が欠け、自然・環境破壊や、自己満足的な偏った保護活動が生じるのかもしれない。
人知を超えた大いなる世界を謙虚に受け入れること、ドイツの哲学者シュライエルマッハーが言うところの「宇宙の直感と感情」は、そこなんじゃないかなと思っている。 セミから随分と大袈裟な話になってしまったが・・・。