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2007年7月14日 アブラゼミ
K10D+PENTAX smc D FA Macro 100mm
台風4号が各地に被害をもたらしている。ここ山口県西部では、午前中はかなり激しい雨が降った。昼前頃からは時折 陽が射すようになったが、風は強さを増している。
雨が上がった午後、庭に出ていた娘が「父さ〜ん、セミがいるよ〜!」と叫ぶので、カメラを持って行ってみると、アブラゼミが地面に落ちていた。2週間くらい前から既に鳴き始めていたアブラゼミだが、まだまだ姿を見る機会は少ない。一斉に羽化するのはもう少し先だろう。このアブラゼミも羽化後あまり日数が経っていないのではなかろうか。午前中の大雨で、あるいは強風にあおられて地面に落ちたのかもしれない。そこにさっそくクロオオアリが集まってきたのだ。
「セミを助ける」という娘は木の枝を持ってきて、アリを追っ払い始めた。するともう一人の娘が「でもアリさんも食べなきゃお腹すくよ」って、以前私が話した事を言う。「だってセミは生きちょるじゃん」「・・・」 そして2人は共同作業でセミを助けだした。
「他の いのち を食べねば生きてゆけない」という悲しさは、折りに触れて娘達と話し合ってきた。そしてその事実を漠然とながら受けとめてくれているようだ。そのうえで「助けずにはおれない」と行動してゆく姿を、ほほ笑ましく見守った。この状況でセミを助けるのは、あるいは独善的であるかもしれないが、アリの立場、そしてそこに重なる我が身の罪深さを知っての行動となると、話は違ってこよう。性善説を前提とする現代日本社会では、なかなかそのような視点を持ちにくくなっているが・・・。
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