2005.07.04 ドクガ E5000
山口県では、ここ数日大雨が続いている。 県内各地で土砂災害等の被害がおきている。 先月までは「雨が降って欲しい」と思っていたのに、今度は「晴れて欲しい」と願っている。 雨そのものに善悪はないのに、“私の都合”が、それを善いものにしたり、悪いものにしたりしている。 勝手口の網戸に、黄橙の ガ がいた。 チャドクガによく似ているが、翅の模様からすると、これはドクガだ。 名前の通り、腹の先端に多くの毒針毛があり、これにやられると皮膚炎をおこす。 そんなことから“害虫”と言われるが、この毒針毛について調べてみると、一方的に“害虫”とは呼べなくなった。 毒針毛は、特にメスに多い。 メスは産卵時に、産んだ卵の塊にこの毒針毛を植え付ける。 さらに卵から孵った幼虫は、自らの毒針毛が生えるまで、母親が残してくれた毒針毛を背中に乗せて過ごす。 つまり毒針毛は、卵や、産まれたばかりの幼虫を護っているのだ。 私達人間だって、自分を護るため、我が子を護るためには、なりふり構わぬ行動をとっている。 虫よけにと、殺虫剤をまき散らし、蚊が飛来すれば刺してもいないのに叩いている。 やってることは同じなのだ。 いや、私達は必要以上に他の生き物を傷つけ、殺し、その環境までも破壊して生きている。 どちらが“害虫(害獣)”であろうか・・・・。 などと偉そうな事を書きながらも、昨年娘がドクガにやられて難義したのを思い出し、大変申し訳ないがこのドクガを殺してしまった私は、筋金入りの害獣だ。
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