2000.12.31 今年のベストショット
いよいよ20世紀も終ろうとしている。 今年最後のアップ画像は、「虫撮り散策記」を開設してからの半年間で、最も反響が多かった画像でしめくくろうと思って、9月18日に撮ったツユムシの一種の画像を載せることにした。 
私たち東洋人にとって、西洋歴である“世紀”ということは実はそんなに意味深いことではないと思う。 もちろん、洋の東西を問わずキリスト教の信者の方々にとっては大変なことなのかもしれないけれども・・・。 だから私個人としてはその是非を問うつもりなど全く無いが、特別な意味を持った瞬間だという意識も希薄だというのが正直なところだ。 しかし、世間的な一つの節目として少しばかり振り返ってみると、私の生きた20世紀後半の35年間の日本というものは、とにかく物質的な繁栄に終始したと思う。 幼少の頃は、電話をかけるにも近所の電話が有る家に借りに行っていた時代だったのが、今では中高生が携帯電話を持つようになった。 とにかく物質的に豊かに、便利に、ということを目的として突っ走ったのがこの20世紀後半だったと思う。 その是非は問えないが、少なくとも“失ったもの”も大きかったのではないかと思うのだ。 昨今の“遊ぶ金”欲しさの犯罪や、自己存在を認識して欲しいがための犯罪など、所謂“心の隙間”は広がる一方のような気がしてならない。 今一度、私たちは“生きる”ということへの“原点回帰”ということを考えねばならないのではなかろうか? 西洋歴の節目を、単なるお祭り騒ぎで終ろうということでいいのだろうか? 写真のツユムシは、何万年も前から変わることのない生活循環の中で、今年も夕日を全身に浴びて、気高くその生をまっとうしていった。 “変わる”ということも素晴らしいが、それ以上に“原点”ということを大切にして、来たる21世紀を迎えたいと思う。