2006.04.03 ワカバグモ&ミツバチ IXY600
日中の気温が20度を超えた、暖かい1日だった。 先月末に開花した庭のソメイヨシノも、あっという間に五分咲き状態だ。 桜にはたくさんのミツバチが集まっている。 そんな中、1匹だけ動かないミツバチがいる。 よく見るとワカバグモに捕獲されていたのだ。 「ミツバチがクモに捕まっちょるぞ!」と声をかけると、娘達が「どこどこ!?」と駆けよってきた。
「ミツバチさん、かわいそう」と言う娘A。 優しげな感想ではあるが、ちょっと待てよ。 「でもミツバチを食べないと、クモさんもお腹空いて死んじゃうかもしれないね」と問題提起しようとした矢先に、「ええんよ、かわいそうじゃないんよ」という娘Y。 「どうして?」と尋ねると、「だってハチは人間を刺すじゃろ」って。 う〜ん、短時間ではあったが、実に考えさせられる会話だった。 ハチの立場に同情した娘Aは、クモの立場まで考えてない。 そのハチは人を刺すから、食べられてもイイという利害の立場で裁いた娘Y。 私達の日常生活って、案外この両者の間を行ったり来たりしながら過ごしているのかもしれない。 私など、さも分かったような立場で、娘達を諭そうという思いを抱きつつ、しかし実際の日暮らしの中で、そのように“いのち のありのままのすがた”を受けとめて生活しているかというと、どうにも怪しい。 常に自分の物差しでモノを見て、損得利害の判断をし、少し余裕があれば同情の念を起こす。 どうやらそのようにしか生きられないようだが、その事実を認識し、恥じる立場を、なんとか子供達に伝えたいと思う。
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