2004.12.03 アブ E5000
日中は20度を超える、12月と思えないような暖かさだった。 庭の片隅に咲いているキクの花には、アブやハエの仲間が多数集まっている。 「やれ打つな 蝿が手をする 足をする」 有名な一茶の句を思いださせる光景だ。 昔から人はハエや カ 、その他の虫達を「害虫」として殺してきたことだろう。 殺すという行為においては現代人、そして私も同罪であるが、昔の人々には「殺生=悪」という罪の意識が現代人よりも深かったのではないかと想像する。 一方の現代人は、ヒューマニズムという西欧より広まった人間中心主義に染まってしまい、必ずしも「殺生=悪」と受け取らなくなってきたのではなかろうか。 人間中心〜自分中心、つまり自分の都合に合わないものは殺してもかまわない(それが虫であろうと、人であろうと)、という方向へ向かっているのかもしれない。 養老孟司さんの『真っ赤なウソ』に、「今の子供たちが いのち の尊さを見失っているのは当然だ。 だって大人たちが見失っているんだから」というようなことが書かれていた。 よくよく考えてゆかねばならないことだ。
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