2004.05.06 クロアゲハ E5000
夕方、庭先のサツキの葉上にクロアゲハがいるのに気がついた。 慎重に近づいてシャッターを切るが、クロアゲハは一向に動かない。 生きているチョウの顔面のアップは、コンパクトデジカメでは滅多に撮れるものではない。 正面に回ってパチリと撮ってみた。 それでも逃げようとしない。 どうやら命終が近いようで、翔ぶことはおろか、動くこともできないようだ。 それでも時折翅をピクピクと動かしている。 側にいた娘が「お父さん、このチョウチョはどづしたの?」と尋ねるので、「多分もうすぐ死んじゃうんだろうね」と答えると、「どうして死んじゃうの?」と尋ねてきた。 う〜ん、しばし考えて「そうだなぁ、何で死ぬかっていうと、それは生まれてきたからだよ。生まれてきたものは必ず死んじゃうんだ」と答えると、娘は「ふ〜ん」と言って、それで問答は終わった。 3歳の娘にはその先、つまり“生まれてきた私も必ず死ぬ”というところまでは思い至らなかったようだ。 「最近は核家族化や病院で亡くなる人が多いことから、子供達に“死”という現場に接する機会が少なくなってきた、それが“いのちの尊さ”を見失わせている一つの要因だ」という専門家の見解を聞いたことがある。 それは強ち間違いではなかろうが、実際にはこうして身の回りの小さな いのち の死の現場に直面することはいくらでもある。 大切なのは、そのような現場において、“死”ということ“いのち”ということを一緒に語り合える大人が側にいるかどうかだと思う。 親と名のる以上、誤魔化さずに取り組んでゆかねばと感じている。
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