2003.12.15 アオムシ&アオムシコマユバチ E5000
娘を連れて、近所の神社まで散歩に行くと、娘が参道脇の石材を覗き込んで「虫がいる」という。 しゃがんでみると、薄黄色の繭(まゆ)を抱えたアオムシがいた。 アオムシは側の大根畑からやってきたモンシロチョウの幼虫だろう。 サナギに成るために移動してきたのだ。 問題は無数の繭。 アオムシが産んだにしては大きすぎるし、アオムシは幼虫だから生殖能力はない。  実はこれ、アオムシコマユバチという、アオムシに寄生するハチの繭なのだ。 交尾を終えたアオムシコマユバチのメスは、若いアオムシを見つけると、お尻の産卵管をアオムシの体に突き刺して卵を産み付ける。 アオムシの体内で孵化した幼虫は、うまい具合にアオムシの生命に別状ない部分から食べ始めるので、アオムシはそのまま活動を続けてゆく。 やがてアオムシコマユバチの幼虫が十分に成長した頃、アオムシの方も蛹に成る準備を始めるので、そこで体を食い破って出てきて、すぐに繭、つまり蛹になる。 当然アオムシの方は蛹に成ることができずに死んでしまう。 映画「エイリアン」を彷彿とさせる、凄まじい昆虫世界ではあるが、繭から出てくるのは巨大なエイリアンではなく、体長2〜3mmの小さなハチなのでご安心あれ。
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