2003.05.01 クロオオアリ E5000
早朝、日が昇り始めた頃に裏庭で一服していると、ほぼ花の終ったシャクナゲにクロオオアリがいた。 花弁の散ったつけ根に静止して、そこから動こうとしない。 今朝は多少冷え込んだし、ここで一夜を明かしたのかな? と思ったが、よく見るとわずかに動いている。 どうやら蜜かなにかに脚をとられて身動きできなくなったようだ。 見れば上の方にも小さなハエか何かが同様に身動きできなくなっている。 さぞや辛かろう、苦しいだろう・・・しかしながら、ここで私が引きはがしたとしても、彼等が生き延びる可能性は極めて低いだろう。 そして、これも自然の流れの一部だとしたら、「気の毒だから助けてやろう」というのは、至極当然な感情であると同時に、私のエゴも含まれているような気がした。 例えば、このような状況・経験を気の遠くなる年月を重ねることによって、或いは食虫植物などに進化していったのかも、と思いを致すうちに、安易に人の手を加えるのはどうだろうかと躊躇してしまったのだ。 もちろん私が手を出すのも自然の流れと考えることはできるが・・・。 ともかくも、紅色の花弁と朝日に包み込まれている姿に、なんとも言えない畏敬の念を抱いてしまった私は、このままその場を立ち去った。 
 TOPに戻る