2003.03.29 ツクシ E5000
菜の花畑の土手には、ツクシがたくさん伸びていた。 せっかくだから菜の花と青空を背景にしてみようと色気を出して、カメラを地面に押し付けるような状態で撮ってみたところ、なかなか堂々とした立派なツクシの絵となった。 ツクシは竹等のように地下茎で繋がっていて、その地下茎からはやがてスギナが伸びてくる。 
「みえないところで つながりあって 生きているのは 竹だけではない」
著名な教育者であり、宗教者でもあった東井義雄氏の詩だ。 竹やツクシはそれぞれが単独で生えているように見えるけれども、地面を掘り返してみると、ビッシリと張り巡らされた地下茎で繋がり合っているのがわかる。 私達一人ひとりも、それぞれ単独で、自分一人の力で生きているように思うこともあるが、実際には他の人や、他の動物、植物など、数えきれないくらい多くの いのち と繋がり合っている中に生かされている。 それぞれの中に全てがあり、全ての中にそれぞれがある」という『華厳経』の教えの根本である「一即多・多即一」というのもそういうことだろう。 私達はいかに「自分が、自分が」と己の力を過信しようとも、他(多)との繋がりの中においてしか存在しえないのだ。 自らの力を過信し、暴走しだすと、人間は(私も)とても恐ろしい生き物になってしまう。 ましてや「自分は正義の立場なんだ」なんて勘違いすると、その暴走を止めるのは並大抵のことではない。
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