2002.11.23 ミノウスバ  E5000
裏庭のマユミの枝にミノウスバがいた。 「2週間前にも載せてたじゃねぇか!」とお叱りの声が聞こえてきそうだが、その時とは様子が違う。 2週間前のものは、ヒラヒラと忙しく飛び回っていたが、今日出会ったものは全く動かない。 そう、絶命しているのだ。 お尻から枝先にかけて、ビッシリと卵が産み付けられている。 卵をよく観ると(拡大写真はこちら)、枝に隙間なく並び、表面は毛のようなもので覆われている。 おそらくこの毛は、母親のお尻の方に生えていた蓑状のフサフサした毛に違いない。 これで外敵や寒さから卵を護っているのではないかと想像する。 我が身を削ってまでの命懸けの産卵・・・私はそこに“子にかけられた親の願い”を感じる。 ミノウスバに限らず、虫の世界ではよく観られる光景だ。 その実態を知れば「たかが虫ケラ」などとはとても思えない。 人も虫も植物も、皆それぞれに親の願いがかけられた尊い いのち なのだ。 純粋さという点では、人よりも虫の方が上かもしれない。 散りゆく紅葉を背景に、命懸けの産卵を終えたミノウスバの姿を見ていると、胸がいっぱいになった。
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