2002.08.30 オニヤンマ E5000
庭を歩いていると、突然オニヤンマの夫婦が落ちてきた。 右側がオス、左側がメスだ。 いわゆる“連結”という状態で、実はこれはまだ交尾の準備段階だ。 ご覧のようにオスがお尻の先で、メスの首根っこをつかまえ、この状態のまましばらく飛行する。 デートのようなものだ。 そして落ち着いて交尾できそうな場所を見つけ、そこでゆっくりと交尾するわけだ。 ここまでは人間とあまり違いはないのだが、トンボの凄いのはここから。 オスはメスの首根っこをつかまえたままで、メスの方がグッと長い腹を丸めて、生殖器である先端をオスの腹のつけ根あたりに結合する。 そこにはオスの副生殖器があり、オスはあらかじめ自分の腹を折り曲げて副生殖器に精子を貯めておくのだ。 何故そんな面倒臭いことを、と思うのだが、そこには私の知らない進化のプロセスがあるのだろう。
で、どうしてこのオニヤンマ達は地面に落ちてきたのか疑問に思った。 最初は、台風の影響による強風のためかな、と思ったのだが、よく見るとメスの後羽が半分ない。 それでバランスを崩したのではないかと想像する。 この画像では分かりにくいので、この後飛び立って側のソテツの葉にとまった画像をこちらに置いているので、メスの後羽を見ることができる。
それにしてもオスのこの姿勢はとても辛そうだ。 顔半分は地面に押し付けられ、体はプロレスの技をかけられたが如く不自然にねじ曲がっている。 一方のメスはゴロンと仰向けになっているだけ。 交尾のためとはいえ、オトコの悲哀を感じてしまった。
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