2002.02.28 ヒメフンバエ E990
小雨の降る畦道を歩いていると、道端の菜の花(の類い)にヒメフンバエがとまっていた。 
私事になるが、実は3日前に1歳になる娘が嘔吐下痢症になって、続いてもう一人の娘(実は双子です)も昨夜発病した。 嘔吐を繰り返し、胃液まで吐き、最後には吐くものもなくなって・・・憔悴しきってグッタリしている娘を抱きながら、1年前の事を思いだした。 
早産で未熟児だった娘達は、しばらく保育器に入っていた。 病院から退院して我が家にやってきたのは1ヶ月経ってからだ。 病院ではミルクを飲む力が弱かったり、時々呼吸が止まったりしていた。 退院する頃にはすっかり元気になっていたのだが、自宅で穏やかに寝ている娘の顔を見ながら「あれ、呼吸してるだろうか?」と何度も不安になり、耳を口元に近づけては「あぁ、ちゃんと呼吸してるな」と感謝したものだ。
それから1年。 いつの間にか そんな事は気にならなくなっていた。 「呼吸するのはあたりまえ」「生きているのはあたりまえ」と、“いのち”に対する感謝の念を忘れてしまっていた。 本当は「生きている」ということは「あたりまえ」でなく「有り難い(有ること難し)」ことなのにね。 この3日間で、娘達はそのことを思いださせてくれた。 ヒメフンバエの いのち も、菜の花の いのち も、雨の いのち も、全て有り難い“いのち”なんだ。
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