2001.10.07 ビロウドサシガメ
今日は山口県西北端にある角島に行った。 休日ということもあって、車も人もとても多い。 道路沿いに車を停めて、側の畑を歩いてみると、足元をビロウドサシガメが歩いていた。 胸の部分が濃い黒藍色で、漆を塗ったような深い艶がある美しいカメムシだ。 
そのビロウドサシガメが歩いていた地面には、煙草の吸い殻や弁当の食べかす、お菓子の箱などが散らばっていた。 おそらく観光客が捨てていったものだろう。 以前、取材でこの島を訪れた時、地元のお年寄りは「橋が開通することで、便利にはなると思うが、島が乱れるのが心配だ」と複雑な心境を話して下さった。 便利になることは確かに素晴らしいと思う。 しかし、便利になるということは常にリスクを伴うものである。 橋が開通したことで、生活は便利になったであろうし、観光客も集まって金をおとしていってくれるだろう。 その反面、静かでのんびりとした生活を送れなくなり、美しかった島の自然は人工的なリゾート地へと破壊される。 島の若者はそれを歓迎している。 致し方ない。 私も若い頃は都会に憧れ、お金に執着し、人が集まるところが好きで、チャラチャラと過ごしていた。 危惧すべきは壮年層の感覚だ。 若者文化に媚びへつらって、目先の軽薄な政策しか思いつかないようでは・・・まぁ、一国の総理がブロマイド付きの写真集を出して、それがベストセラーになるようなお国柄ではねぇ・・・。
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