- 2001.01.16 カマキリの卵
- 各地で記録的な大雪となっている。 ここ山口県の西南部も、一昨日からの雪がまだ降り続いている(午後1時現在)。 私は子供の頃雪に砂糖をかけてよく食べたものだ。 時々、雪は大気中のチリやゴミ、排ガスなどを含んでいるので不衛生だ!という声を聞くが、たまにはそんな野暮なことは忘れて、雪が食べたくなる。 裏庭に雪を掬いに行くと、雪の積もった木の枝にカマキリの卵嚢(らんのう)を見つけた。 梅の木にチョウセンカマキリ(左上)、カエデの枝にハラビロカマキリ(右上)、ユズの枝にオオカマキリ(下)、それぞれの卵嚢が雪に埋もれながら、春の訪れを待って雪の冷たさに耐えていた。 それから松の枝からそっと雪を掬って食べてみた。 アイスクリームともかき氷とも違う、口に入れた瞬間にスッと溶ける雪の感触を楽しみながら、宮沢賢治の「永訣の朝」を思い出した。 最愛の妹とし子の死に際してうたわれた詩だ。 いのちのはかなさ、悲しさ、そして美しさが高次元で表現された詩で、何度読んでも胸をうつ。
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