2000.08.30 メイガの一種
元来、私はガというものはあまり好きではなかった。 あのボテッとした腹といい、毒々しい模様の羽といい、何より夜の食卓に飛び込んできて、粉をまき散らしながら一家団欒を台無しにしてしまう・・・という印象が強いからだ。 しかしこの散策記を始めて、以前よりも目ざとく、じっくりと観察するようになって、その印象は一変した。 たしかに毒々しい印象を与えるものもいるが、それにしてもその羽の模様や形状の複雑さ、美しさはチョウをも凌駕する。
写真のガは外灯に飛来してきたメイガの一種だと思うが、実に美しく鮮やかなベニ色の羽をもっている。しかも羽の先には黄色いフサまでついているあたり、さながら高級クラブのステージの緞帳のようである。 って、高級クラブなるものには、とんと縁のない私ですが(^^ゞ。
このように、これまで抱いていた、わずかな体験による先入観「ガ=嫌い」を捨ててみると、思わぬ発見があったりするのだ。 これは人生にもあてはまる。 ささいな出来事による先入観や偏見に、いつまでもとらわれていると、大切なものを見逃してしまうということは、誰しも経験していることではないかと思う。